プリンターのインクには2つのタイプがあります。機種により採用しているタイプに違いがあるので、事前にそれぞれの特徴を掴んで判断する必要があるでしょう。
2つのタイプにどのような違いがあるかと言うと、顔料タイプの場合は、着色した成分がカートリッジに含まれる水分に完全に溶けきっていない状態の物です。粒子が比較的大きく、印刷をすると紙の内部にまで染み込むことはなく紙の表面に色が載った状態になります。染みないことから滲むことがなく、はっきりとした鮮明な色となり、着色力が強いという特徴があります。
一方の染料タイプは、着色した成分が完全に水に溶けきっている状態です。紙の中にまで染み込みやすいことから、グラデーションなどの色の微妙な変化や細かい発色の表現が可能と言われています。
文書の印刷に使うのか写真やイラストをプリントするのか
プリンターによっても違いますが、どちらのインクを使っている機種を選んだら良いか迷ってしまう場合があります。用途を考えて選ぶようにしてください。
顔料タイプは、印刷物がはっきりとした色をしていて、滲みが少ないという特徴があります。加えて、印刷物の色が劣化しにくく、耐光性と耐水性に優れているのがメリットです。色がはっきりとしているため、文書の印刷に向いていると考えられます。企業で使われる文書類以外に、家庭でレシピ等の様々な物の作り方や図面などを印刷する場合は、長期間保存しても劣化しにくい物が向いているでしょう。
染料インクは微妙な色合いと発色が良く、実際の色を再現しやすいという特徴があります。普通紙では滲みがあることから、光沢紙などの上質なコート紙に印刷する必要がありますが、リアルな質感が表現できる写真印刷や細かい部分の色彩が表現できるイラストなどの印刷に向いています。主に年賀状の作成や、カメラが趣味でプリントをして保存したい方が選ぶと満足のできる仕上がりになるでしょう。
互換品はノズルが詰まりにくいタイプが好まれる
プリンターメーカーが発売している純正品は、ブラックのみ顔料を使った物があります。写真にも文書にも両方の用途で使えるように工夫しているからと思われます。文書の印刷は黒い文字が多く、写真やイラストはカラーで使うことからこのような構成であると考えられるでしょう。
互換品は両方のタイプに対応している物も多く見受けられますが、どちらかと言うと水分と混ざり合った染料タイプが多いです。これはこちらの方が、着色料の分子が小さくノズルが目詰まりしにくく、かすれや色抜けなどの印刷トラブルを起こしにくいからと考えられます。現在では互換品の開発技術も進み、分子が大きくてもトラブルを起こす確率が少なくなったため、両方のタイプに対応しているメーカーも増えてきました。ノズルの噴射口を綺麗にして詰まりにくくする洗浄カートリッジを発売しているメーカーもあり、印刷の品質を保てるようになっています。